【昔話】テープで編集をしていた時代(1)

query_builder 2024/04/02
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映像編集の歴史は、フィルムから始まりました。

フィルムの編集は、フィルムそのものを切ったり貼ったりして行います。

その前に、フィルムは現像しないと見ることができないので、撮影監督やカメラマンの腕を信じて撮影を任せる必要がありますし、編集に取り掛かるまでも大変です。

その後、ビデオが登場し、現像が不要に。テレビや企業プロモーションなどの世界では、ビデオでの取材・編集が主流になります。

ビデオテープの初期の頃はカセットではなく、幅が1インチのオープンリールテープで、ポータブルのものでも相当大きく重く、カメラ部とデッキ部も別でした。


※写真はスタジオのVTR室の様子。手前の1インチビデオデッキはメンテナンスのため床に下ろされています。その奥のラックには各種放送用VTRデッキを中心とした機材が収められています。

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その後カセットタイプの3/4インチ(U-Matic)が出てきて、日本でもロケなどに活躍し出します。

やがてベータカムが登場し、カメラとビデオデッキ部が一体となったVCR(Video Camera Recoder)も出来て、その利便性は格段に向上しました。

光学方式のフィルムに対して、電気を使用する録画機構のビデオでの映像制作は「電子ニュース取材=Electric News Gathering」と呼ばれ、略してENGといいました。

この名残で、今でも肩に担ぐタイプのカメラを「ENGカメラ」などと呼んだりします。


ダビングによる動画編集

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テープに映像を記録するようになると、編集は「ダビング」で行うようになります。

ダビングというのは、(映画やドラマ、CMなどではまた別の意味で使われることもありますが)素材のテープを再生し、録画用のテープにそれをリアルタイムで録画複製していくことをいいます。


(広義では一方をリアルタイムで再生しながら別の媒体に複製記録すること)

少なくともこの方式では再生用のビデオデッキと録画用のデッキが必要で、業務用のデッキや設備は高価だったので、専用のスタジオ(ポストプロダクション)でしか本格的な編集はできませんでした。

編集スタジオには、テープデッキ同士をリモートで同期させ、必要なカットを再生して受けのテープに録画していくための「編集機」というものがあり、またその際に画面に特殊効果を加える「スイッチャー」や、テロップなどを取り込む「FSS(フライング・スポット・スキャナー)」といった機材を駆使しながら作品を作り上げていきます。


<(2)に続く>

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