【昔話】テープで編集をしていた時代(3)

query_builder 2024/04/19
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<(2)より>


https://prylumblog.wordpress.com/2016/03/18/edl-editing-decision-lists/


手書きのエディットシートが出来て、編集室に入ると、エディターがそれを受け取り、エディットシートに書かれたタイムコード情報を編集機に打ち込んでいきます。

100カットあったら、100個のイン点・アウト点をキーボードから手打ちで打ち込んでいきます。

もう一度いいます。手打ちです。ひたすらテンキーとEnterを叩いていきます。

手書きのエディットシート(Edit Dicsision List / EDLともいいます)


bve9000_1

http://www.vtoldboys.com/sonybve.htm


当時の編集機は、この写真のSony BVE-9000のように、記憶が定かではありませんが、確かMS-DOS(ではなかったか、コマンド)ベースのコンピュータで、マウスもアイコンもなく、文字ベースのインターフェースでした。


テープデッキ同士のダビングを、リストに従って進めていく。それがテープの編集機です。


テープの編集は「リニア編集」といいます。


エディターが仕込みを終えたら、編集開始です。

ディレクターが指示を出しながら、アシスタントがテープを差し替えつつ、編集を進めていきます。

テープ編集はダビング作業です。

編集機が素材テープの開始のタイムコードを頭出し(カセット内に巻かれたテープの該当箇所を早送り/早戻しで探し出す)して、再生機と録画機を数秒間同時に走らせ(プリロール、調走…機械同士の呼吸を合わせるような作業)、必要な部分だけを録画します。

1カットをダビングするのに、おおよそ頭出しに20秒、プリロールに5秒、そしてカットの長さ(5秒なら5秒)と、だいたい1分以上は必要で、テープの掛け替えなども含め、全体の作業時間はおおよそ完成尺の10倍はかかることも普通でした。


esc

http://www.vtoldboys.com/sonybve.htm


なんの映像を録画するのか(テープデッキAかB、または別のVTRデッキなのか、等々)は、巨大なスイッチャーで選択します。

映像の特殊効果なども編集用のスイッチャーを通して加工された映像を出しにして受けテープに録画していきます。


(この写真の左の、ボタンがたくさんついたのがスイッチャー)


とにかく、ビデオ編集はスタジオでないとできないものでした。


<続く>

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